9月も間もなく中旬になろうとしています。

夏の暑さも多少は緩み、朝夕は涼しささえ感じる今日この頃です。

大学生は夏休み真っ只中ですが、善良な市民はすっかり仕事モードのことだと思います。

夏の話題を何も書いていなかったので、夏を振り返ってみたいと思います。

 

今までは夏休みは9月に入ってから取っていたのですが、去年から8月の最終週に取るように

なりました。理由は学生時代の友人家族と旅行に行くようになったからです。

この旅行は去年から始まったのですが、勝手に日程を決めてスケジュールが合う人が参加すると

いうものです。友人の子供たちも小さいので、基本はプールがあるリゾート系ホテルに行くことくらい

で、後はノープランです。現地に着いたらどこに行くのも自由。そんなゆるい企画なのです。

ゆるい企画はボクの得意分野なので、去年今年と幹事をしています。

ちなみに今年も去年と同じメンバーで、うちを入れて3家族合計10名での旅行となりました。

若者の夏休みの定番と言えば『ビーチ&出会い=ひと夏の想い出』ですが、結婚し子どもができる

と、当然のことながら子どもを中心に計画は立てられます。友人たちとは25年の付き合いなので、

子どもをあやす姿を見ていると、人間変われば変わるものだと関心するのです。

今も昔も夏と言えば出会いの季節だとばかり思っていたのですが、先日の読売新聞の記事を見て

愕然としました。18歳~39歳までの未婚の男女のうち、異性の交際相手も友人もいない人が、

男性が6割、女性が5割もいるそうです。読売ニュース

女性の皆さま、ひと声かけて頂ければボクは身を挺してお役に立てることをお約束します。

 

道理で今回の旅行でも、男性だけのグループや女性だけのグループが目に付いた訳です。

今回の旅行は基本的にはホテルのプールで子どもたちを遊ばせ、プールに飽きたら外の施設に行く、

というプランでした。初日はプールで満足だったのですが、さすがに2日目はどこかに行きたいという事

で、ホテルから数分のことろにある、伊豆ぐらんぱる公園という施設に行くことになりました。

そこの公園は100mオーバーのすべり台や、変わった自転車、パターゴルフなど、ファミリー向けの

レジャー施設です。友人の子どもとは言え、25年も付き合っていると遠い親戚より身近な存在なの

で、彼らの子どもたちと一緒になってボクも遊び、大いに楽しんだのでした。

 

色んな遊びをして、最後に行き着いたのがウォーターバルーンでした。

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8月最後の週とはいえ、人気があったようで唯一、並ばないとのいけないアトラクションでした。

友人の子どもにショウタという、野性児を彷彿させる逞しい小1の彼が、どうしてもやりたいという

ことで、パパ&ショウタでトライすることになったのです。後の8人は木陰の涼しいところで、かき氷を

食べながら、それを眺めるという、こういう展開ではよくある図式となったのです。

このウォーターバルーンは、TV番組では何度か見たことはありましたが現物を見たのは今回が初めて

でした。印象は、中が暑そう、そして無茶をするとかなりの確率で酔うだろう、です。

 

パパ&ショウタが並んでいる時に他の人たちがやっているのを見ると、パパママ&子どもたちが一緒に

入り、中で大はゃぎしながら転げまわっている。もしくはパパママのどちらかが外で写真を撮っている。

そんな家族団らんの光景がありました。

中にはカップルでキャッキャッ言いながら楽しんでいるグループもいましたが、バルーンの中で体勢を

キープできるはずもなく、誰かれ構わず転げまわるので、結果としてボディータッチが必然となるのです。

終わって出てきた初々しいカップルの男の子が  「ヘンなとこ手が当たらなかった?ごめんねぇ」 と

キモチ悪いことを言っていました。そん事を言うから嫌われるということに、気付かない若人が不憫です。

ボクたちが20歳の時にこんなアトラクションがあったら、彼女を無理くりでも押し込んで、スキンシップ

以上のお近づきを図ったに違いありません。

 

パパ&ショウタも楽しんでいる様子でしたが、彼らが楽しんでる時、列の最後尾に気になるカップルが

いたのを、ボクは見逃しませんでした。ごく普通の19、20歳くらいのカップルなのですが、彼女は

スカートをはいているのです。この状況でスカートは、かなりのチャレンジャーというより他はないでしょう。

 

前出のキャッキャッ言って盛り上がっていたグループカップルの女の子たちはキュロットというかショート

パンツでしたが、この彼女は、こともあろうにスカートです。

しかも、そこそこのミニです。

抜群のセンスです。

前の組がやっているのを見れば、バルーンの中で自分がどういう体勢になるか理解しているはずなのに、

です。男子として、彼女の勇気を称えずにはいられません。早速、彼女の雄姿を見届けなければと

思った訳です。有難いことにちょうどバルーンが浮かぶ目の前になる場所に、すだれで日よけがして

ある休憩場所があったのです。当然のことながら、パパたちとそのドンピシャの場所に移動したのでした。

この手の嗅覚が発達している者は、どこにでもいるものです。

ボクたちがイスに座るとほぼ同時に、大学生風の男子4人組がワサワサしながらやってきました。

どうやら彼らも、勇者の女子を発見したようです。

A:「この席アリーナだよ。S席だよ。」

B:「さすがに、ここでガン見はヤバいんじゃない?」

C:「本人、分かってやってるんだから平気だよ!」

D:「これって神様がくれた、ご褒美だよなぁ」

ABCD:「だよなぁ~」

男子たるもの、このくらいストレートじゃなければいけません。

 

さていよいよ、勇者2人のスタートです!

ゴロン、ゴロン。

彼女は必死でスカートを押さえ込みます。

またしてもゴロン。ゴロン。

 

その時、ボクの横で父親とおぼしき男性が、小さ目のバルーンの中で戯れているママと子ども

の写真を撮っていました。バルーンの中からも「パパァ~」と可愛げな子どもが、その男性に手を

振っています。家族が多いこの公園で、不純な気持ちを持っていたボクはふと我に返ったのです。

家族だらけのこの公園で、ボクは何て邪心な気持ちでいたんだろう。

恥を知れ!

 

気持ちを新たに、そのお父さんをもう一度見らたら、こともあろうにレンズの方向は家族ではなく

勇者2人の秘密の舞踏会に向けられていたのです。というよりターゲットは、そのうちの1人です。

お父さんは、もはやお父さんではなく、ただオッチャンになっていたのでした。

無我夢中でシャッターを押し続けるオッチャンには、お父さんのかけらも見られなかったのです。

まさに獲物を捕らえたケダモノです。

決定的瞬間を逃すまいとする気持ちと、与えられた時間はそう長くない、そんな気持ちが相まって

お父さんは片目を閉じるのに力が入り過ぎたようで、口が異常にひん曲がっていました。

そしてモーターがすごい音を立てて高速連写がはじまっていたのです。

シャンシャンシャンシャンシャン、というモーターの乾いた音がボクの胸に突き刺さりました。

男の悲しい性なのです。

 

いいえ、悲しくなんかあるもんですか!

今の若者に必要なのは、前出の4人組の学生やこのオッチャンのような下心むき出しの姿勢なのです。

いとも簡単にパンチラリンコ大魔神へ変身してしまう正直さが人間臭さであり、上手くいけば魅力に

変わるのです。魅力に変わらなかったら、残念ながらそれはただの変態です。

人間臭さが魅力に変われば、彼女も彼氏も異性の友人も、あっという間に出来るはずです。

時にはバカになれということです。

 

そして、オッチャンのパンチラリンコ大魔神ショーに目を奪われていた間に、2人の舞踏会は

終わっていたのでした。近くにいた奥さんに後で聞くと「あの子、おパンツ丸見えだったよぉ」の

会話に、悔しさを噛みしめたひと夏の想い出でした。