明日から元号が変わり新たな時代がスタートします。
我々、日本人は時間の区切り方として明治時代、大正時代という言い方をします。

元号の期間をひとつの時間として切り取り、その時代を投影させたりします。
ただ明治以前となると江戸時代とかなり雑駁な表現に変わってしまいます。
江戸時代の300年を一括りに表現してしまう辺りが、日本人のいい加減さであり、逆に良さだと思います。

私は昭和40年前半生まれなので、俗に言う昭和人間と言われる世代になります。
昭和から平成に変わる時は、正直あまりピンとこなかった記憶があります。
『へいせい?へぇ~~、なんかヘンな感じだねぇ』みたいな印象でした。
Jan.7.1989  年号発表をする小淵恵三官房長官
撮影 フジフォトス

昭和天皇崩御の衝撃の方が強かったこともありますし、これで昭和という時代が終わるんだ、という寂しさや切なさが入り混じり少し感傷的になっていたような気がします。ですから新しい時代のスタートというより昭和が終わったという感じでした。また親も含めて元号が変わる瞬間を経験した人が自分のまわりに居なかったせいで、誰しもがどう捉えていいか分かりかねていたというのが正直なとこだったのでしょう。
しいて言えば当時78歳だった祖母が明治45年生まれで、明治から大正に変わった時は15歳のはずですからその時に何かしらの印象を感じたはずだと思い、訊いてみたのですが「特に覚えていないねぇ」というアッサリしたものでした。当時ですからかなり情報が遅れて届いたせいもあるかも知れませんが…、

昭和生まれの人間からしたら、その時代を『昭和時代』と言われることに少し違和感を感じますが、何十年もしたら『明治時代』、『大正時代』と同じように『昭和時代』、『平成時代』と間違いなく言われることになるでしょう。

ボクが元号というか時代という概念に気付いたのは幼稚園の時でした。
今でも鮮明に覚えているのですが、ポケットに『昭和49年』と打刻されたピカピカの50円玉が入っていたのです。幼稚園児ですから『昭和』という文字は読めず『49』という数字だけが分かったのです。

家に帰り7つ上の兄に「この49という数字は何の数字なのか?」と訊くと、「それは昭和49年、つまり今年製造された硬貨ということだよ」と言われました。生まれてまだ数年しか経っていない自分は、昭和という時代は49年も続いているのかと愕然としました。当時の親の年齢が30代なので、親よりも長い時間ということに理解が出来ず、どれだけ長いんだよ!と思ったのです。その矢先に兄から「昭和の前は大正があり、その前は明治があり、その更に前は江戸時代というお侍さんの時代があったんだぞ」と言われ「やめて!もういいよ!」と軽いパニックになったのを覚えています。

西暦と和暦がごちゃごちゃして面倒くさいから西暦に統一したらいいのに、という人もいますが、確かに面倒かもしれませんが、そこは大目に見てもらい楽しんでもいいのではないかなと思うのです。なんでも合理的にするとつまらこともあります。例えばお年玉をおじいちゃんやおばあちゃんからLINE Payで送金されたらどうでしょう。かなり味気ないと思います。元号は風情とか趣きみたいな感じで捉えたら宜しいのではないでしょうか?

前回の改元は崩御に伴ってされましたが、今回は今上天皇がご健在の中での改元ですので、晴れやかな気持ちで明日を迎えたいと思います。ちなみに毎年4月30日は弊社の決算日なので、明日の令和元年5月1日から第42期がスタートします。次期も皆様にモータースポーツの楽しさをご提供できるよう精進して参りますので、なお一層の御贔屓を賜りますようお願い申し上げます。